ジャズ

2016年2月27日 (土)

ジャズ千夜一夜拡大版:『ジャズ・エクスチェンジ vol.1/2』

私、ほぼ全てのジャズに愛情を持っていますが、非アフロ・アメリカンのジャズの中では、レニー=トリスターノ一派が好きです。就中、リー=コニッツ(as)の「素っ気なさ」がとても好きです。
んで、そのコニッツがポン友ウォーン=マーシュ(ts)と組んで、1975年にコペンハーゲンの「カフェ・モンマルトル」に登場した時のライヴ盤が、この2枚。

若き日のコニッツは、氷のカミソリが緊張感を撒き散らすが如き演奏を繰り広げていましたが、1950年代後半から音そのものは温かみを感じさせるようになったと言われています。元々ウォームな感じだったマーシュとはまるで双子のようです。
ちなみに、私がジャズを聴き始めた頃、アルト・サックスとテナー・サックスの区別がつかなかったものですが、特にこの二人は判らない。
でも、燃え上がる蒼い炎は健在。
このライヴ、vol.1では名手ニールス-ヘニング=エルステッド=ペデルセン(b)が参加しているのも価値を高めています。

vol.1の白眉はラストトラック、名曲"Subconscious-Lee"で決まり!コニッツの代名詞(初リーダーアルバムのタイトル)でもあり、ひいてはトリスターノ一派を代表する一曲でもあり、何度となく演奏されて、色々なミュージシャンによる数多の名演が残されておりと。タイトル自体もかっこいい。

vol.2は、バックがピアノからギターへ交替(残念ながらコニッツの旧い相棒ビリー=バウアーではありませんが)。ベースはピーター=インド、ドラムスもアル=レヴィットへ交替し、トリスターノ一派のカラーが全面に押し出されています。
ベストトラックはどれかなぁ…1曲選べというのは難しい。最初の"Kary's Trance"ですかねぇ。これもコニッツの名曲にして、多くの名演があります。

やっぱりね、元々アフロ・アメリカンの音楽だったジャズを、敢えて非黒人が演るのだったら、アフロ・アメリカンに無いsomethingが欲しいのです。演る方も、それ無しに動機付けが無いような気がするのですけど、それはともかく。
んで、トリスターノ一派にはそれがあると。テンション・コード/テンション・ノートの多用、そこから引き出されるアブストラクトな感覚等々、恐らく1940年代にリアルタイムでトリスターノの音楽に触れた人達も、そのような部分に魅かれたに違いないと信じています。

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2014年3月 2日 (日)

ジャズ千夜一夜拡大版:『ブラックホークのマイルス・デイビス』

ソニーミュージックのジャズ音源が税抜き千円で大量発売されたので、その中から『ブラックホークのマイルス・デイビスvol.1/2』を買ってみました。

いやね、この時のテナーサックスはハンク=モブレイなんですが、どうもミスマッチの感があって「食わず嫌い」してまして。
実際に聴いてみて、どうか。うーん、やっぱり、一人だけバップなオヤジが混ざっているという観は否めないか…ただ、リズム-セクションは、あの、ウィントン=ケリー・ポール=チェンバース・ジミー=コブなので、モブレイでも何とか食らいついているという印象ですなぁ。ウィントンはモブレイの名作『ソウル・ステーション』等々でも共演している、勝手知ったる仲ですし。

アイラ=ギトラーか誰かが言ってるんですが、モブレイはテナーサックスの「ミドル級チャンピオン」なのです。白人ライト級(例えばゲッツ)ではなく、黒人ヘビー級(例えばコルトレーン)でもない。という点では、コルトレーンの後任にされたのは、ちょっと不幸かも知れません。
ただ、モブレイの名誉のために言っておくと、決して出来が悪い訳ではないと思います。ウィントンのバッキング(後述)に乗って、それなりに立ち回ってはいますので。

マイルスはいつもと同じ。吹きまくってます。

Vol.1(金曜日)の白眉はやっぱり"All Of You"です。私の好みでもあるし。マイルスのハイテンションなミュートでのソロの後、モブレイのソロに入るとホッとするんですね。

Vol.2(土曜日)はラストの"Neo"かなぁ。珍しく変拍子なのもいいです。

全体に、ウィントン=ケリーの頑張りが光っているように思います。バッキング/ソロ、ともに素晴らしい。左手のヴォイシング、右手の朗らかなタッチ、たまりませんなぁ。

というわけで、"feat. Wynton Kelly"な盤です。★★★★。

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2013年2月10日 (日)

Jazz千夜一夜拡大版:纐纈歩美を聴いてみた

ふとしたことで~♪、纐纈歩美(こうけつ あゆみ)という名前を知りました。ほぅ、うら若きアルト・サックス吹きですか。

女性のasプレイヤーといえば、既に十年選手となった矢野沙織という存在が広く認知されていると思うのですが、矢野沙織が基本バップなのに対して、纐纈歩美はクール系だという。また、ケイコ=リーや寺井尚子などを産んだ、名古屋系だとも。非常に興味をそそられ、アルバム3枚、一気に買ってしまいました。

【Struttin'】

メジャーデビュー盤。瑞々しさや初々しさというものは勿論あるのですが、誰が言ったのかなぁ、デビュー盤にはそのミュージシャンの全てが詰まっているものだよ…って。
正直なところ、良く云えば「幅広い」、悪く云うと「雑駁」。
リー=コニッツの"Kary's Trance"、キャノンボール=アダレイの演奏で知られる(作者はサム=ジョーンズ)"Del Sasser"、オーネット=コールマンの"Blues Connotation"の3曲が収録されています。クール(というか無愛想)系の老人コニッツ、「ファンキー」の親玉キャノンボール、フリー/アヴァンギャルドの「創始者」オーネット、この3人を取り上げて、一つのアルバムに収まっているというのは、何と言うか、まあ、色んな事が出来るんだよというアピール(プロデューサーの意向とか)かも知れないですが。
演奏のクォリティ自体は高いと思いますね。

【Daybreak】

セカンドアルバム。解説には、クール色を強めた云々と書いてありますが、それはきっと、前作に続きリー=コニッツに挑み、彼の代表曲"Subconscious-Lee"を演奏したりしているからでしょう。この曲は割と難しいらしく、難曲と呼ぶ人もいますね。あと、ジャズに「モード」を導入した先駆者とされているジョージ=ラッセル作"Ezz-Thetic"を演奏しているのは、意表を突いてます。
ジャケ写を見れば分かりますが、前作ではショートカットだったのが、今作では髪を伸ばしてオンナっぽくなってます。音楽とは無関係ですが(多分)。

【Rainbow Tales】

サードアルバム。現時点での最新作。過去2作では、名古屋時代からの共演者に依存していましたが、今作はノルウェーに渡って、現地のミュージシャン達との共演です。3枚の中では、これが一番良いと云うか、私好み。基本線は、1960年代「新主流派」的なモード-ジャズです。特にピアニストのセンスがよろしい。1曲目の"With May"あたりは、コーダル-ノートの使用が非常に少ないピアノで、ああ、北欧では1960年代の熱気が今も横溢しているんだなぁ、と改めて感じた次第です。この曲は自作ですが、拙劣な比喩を用いて表現すると、60年代半ばのウェイン=ショーターをもう少し明るくすると、きっとこうなるかな、という感じです。

てな訳で、技倆的には文句ありませんが(私は楽器を演奏出来ないので、文句の言い様もないですが)、まだ、共演者に依存する部分が大きいようです。どんな共演者とでも「これは纐纈歩美だ!」という個性を確立するには、もう少し時間が必要かな。

これから彼女がどういう路線で来るのかは分かりませんが、まだまだ、伸びる素材だと思います。4枚目のアルバムを期待しています。

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2012年9月18日 (火)

狂四郎、初めて山中千尋のライヴに行く。

先日、山中千尋の最新作を購入して、ふと帯を見ると、全国ホールツアーの最終日は、私の居住地の近くのホールに。あー、もう当日まで10日しか無いけど、ダメモトでプレイガイドへ行ってみました。
そしたら、運良く前から5列目の席をget。

彼女の今の所属レコード会社はユニバーサル(Verve)ですが、デビューしたての頃は、かのピアノ・マニア向けインディーズ・レーベルである澤野工房で、私はその頃から注目&偏愛してました。多分、彼女のリーダー作は全部保有している筈です。(「筈」なのは、CDの山を整理し切れず、全て探し出して確認するのは極めて困難だからです。)

ほぼ2時間ちょい、全く飽きさせない趣向で、久々のJazzライヴを堪能してきましたよ。曲目も、最新作"Because"の収録曲から、澤野時代の八木節まで、彼女の歩みをコンパクトに知ることができるものでした。
初期の彼女は、しなやかなタッチが魅力でしたが、今はかなりハード・ドライヴィングに感じます。ライヴってこともあるでしょうけど…

人によっては、某上原ひろみと比較するだろうなぁ…と妄想してしまいます。上原ひろみは、グラミー賞を受賞(したアルバムに参加)したことで一気に知名度を上げましたけど、彼女はちょっと奔放過ぎる(あのオーバーアクションも含めて)、というのが私の見立てです。受賞アルバムの前、初めてスタンリー=クラークの下で仕事をした"Jazz in the Garden"を聴いたときは、おっ、と思いましたよ。クラークは彼女を上手く使い倒したな、とね。
彼女のリーダー作やライヴ・パフォーマンスを視聴きすると、マイルスのあの言葉を捧げたくなります。「自由、ただし抑制の利いた自由」。

とまあ、山中千尋の方が上だと言いたい訳ですが、今回のライヴを聴いて思ったのは、ビル=エヴァンス以来、ピアノ・トリオにおいてはピアノとベースの対話による二等辺三角形が主流となっているところ、彼女の場合は、どちらかと云うとドラムスとの対話かな、っと思うんですね。
バド=パウエルに逆戻りという意味では決してありませんけど、エヴァンスの影響力の強さを考えると、彼女のオリジナリティは本物だと考えます。

本日の教訓。
終演後、サイン会があったのだけど、CDを持っていかなかったので、サイン貰えなかったです。(ToT)一応、彼女の直筆スコアをあしらったトートバッグを買ったのですが、色は黒。したがって、サインしてもらうわけにはいかなかったのでした。いくら何でも、サインを貰うためだけに、CD1枚ダブり買いするのは馬鹿馬鹿しいので。プログラムも無かったし。無念。

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2010年1月27日 (水)

オーネット=コールマンが好き!「ジャズ千夜一夜」拡大版

オーネット=コールマンというアルト・サックス吹きのジャズ・ミュージシャンがいます。
一般的には「フリー・ジャズの開祖」「アヴァンギャルド(前衛)の先駆者」といった名札がぶら下がっています。要するに、西洋音楽の和音構造から少し逸脱している(考え方も実際の演奏も)というだけなんですけど…
あと、現代ジャズ・ギター界をリードするパット=メセニーが彼に私淑していることも、よく知られているところです。

「前衛」などとレッテルが貼られていると、やっぱり引いちゃいます?
「自分にはワカラナイなー、狂四郎は理解できるの?」なんて言われることもあります。

行きつけのショットバー(私はソフトドリンクしか呑みませんが)のマスターには、「何でお前、オーネット=コールマンが好きなんだ?」と言われますけど、これはもう、感性にググッとくる、としか説明のしようが無いです。ま、言葉で説明出来るなら、音楽は必要ないということになりましょうか…

▽The Shape Of Jazz To Come

彼の名前を広く知らしめた名盤です。"Congeniality"や"Chronology"といった曲は、他のミュージシャンも演奏しています(例えば「雲隠れ」前の大西順子は"Congeniality"などをプレイしています)。現在の耳で聴くと「これで前衛?」という感じもありますが、1959年当時はアヴァンギャルドで、そしてジャズの未来形を見出した人も少なからずいたのです。
彼をレコード会社(アトランティック)に推薦したのはジョン=ルイスという人です。ルイスはMJQ(Modern Jazz Quartett)で室内楽のようなジャズを演奏していて、前衛とは接点が無い筈ですが、彼のポテンシャルを感じていたんでしょう。

▽This Is Our Music

これも、ほぼ同じメンバー、同じプロデューサーによるアルバムですが、もう少し尖鋭的になってます。「来るべきジャズの形」とか「これが俺たちの音楽だ」とか、アルバムタイトルが大仰ですけど、オーネットが気負っているのか、営業上の配慮なのかは知りません。CDの表紙裏には彼の長文ライナーノートが掲載されています。

▽At the "Golden Circle" in Stockholm vol.1

私が初めて買ったオーネットのアルバム。タイトルのとおり、ヨーロッパでのライヴ盤です。ベースとドラムスが、オーネットのコンセプトを良く理解しているからか、彼も調子が良いようです。ミュージシャンに最良の環境を提供してレコーディングするBlueNoteレーベルならではの盤。ジャケ写もカッチョいいです。

▽Dancing In Your Head

上記3作品と比べると、ヘンなオジサンの顔のジャケットが気になります。私がオーネットに展開・接近・連続をするきっかけになった盤です。買った日の夜、行くあてもない夜中のドライヴで、夜明けまで延々と全曲リピートしてました。乱暴な喩えですが、ある種の「祝祭空間」です。誰もが自由にプレイし、出入りも自由…そんな感じです。あー、ボキャブラリーが貧困なので、これは購入orレンタルで聴いていただくしかありません。

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2009年8月11日 (火)

「ジャズ千夜一夜」拡大版

新譜を5枚一気買いしたので、拡大版でいきたいと思います。

▽大西順子『楽興の時』

 '90年代のスターだった彼女が、約10年の雲隠れ(?)を経て復活しました。私はブレイクする前の彼女(向井滋春クインテットの一員だった)を生で聴いているのですが、当時からカミソリの切れ味と鉈のパワーがありました。メジャーになってからも進化していって、デビューした頃に足りなかったもの-色彩感-が加わってきたなぁ、というところで雲隠れしてしまいました…
 この10年間、彼女が何をして、何を考えていたかは知る由もありませんが、プレイに一層の色彩感と深みが加わったことは確かです。
 曲目で目を引くのは、ジャズ界きっての「自由人」エリック=ドルフィーの作品が3曲も入っていることです。自由に飛翔するのだという、彼女の宣言のような気がします。

▽フレディ=ハバード『ウィズアウト・ア・ソング~ライヴ・イン・ヨーロッパ1969』

 昨年末、不遇の中で他界した彼の、未発表ライヴ盤。BlueNoteの倉庫でずっと眠っていたのが発見されたらしいのですが、これをリリースするに当たっては彼自身も大変乗り気だったようで、本人にとっても納得のいくパフォーマンスの一つだったのでしょう。
 もちろん中身は★★★★★。サックス等が入っていないワンホーン・カルテットなので、ソフトなバラッドから爆発的なアドリブソロまで、彼の素晴らしいプレイを存分に楽しめます。「史上最高」ではないかも知れないけれど「史上最強」のトランペット・ヒーローだと私は思っていますし多分、誰もが認めるところでしょう。

▽イリアーヌ=エリアス『デサフィナード』

 原題は"Eliane Elias Plays Live"。確かにラストトラックの"Desafinado"は聴きモノではありますが、いつまでもボサノバねーちゃん扱いの売り方をするのはやめて欲しいものです。と彼女自身も思っているんじゃないかなぁ。今回は1曲もヴォーカルを披露していないんだし。
 前々作の"Something For You"は、ビル=エバンスのトリビュート盤として出色の出来映えでしたが、この盤でもピアニストとしての実力を十二分に発揮して、心地良い演奏を繰り広げています。1曲目から、ファンク・ビートの"Just Friends"でちょっち吃驚。
 公私ともにパートナーであるマーク=ジョンソン(b、ビル=エバンス最後の共演者)との息もぴったり。キラキラした派手さはありませんが(意図的に抑えているのかな?)、ライヴ盤ならではの盛り上がりも楽しんでください。聴くほどに味わいが出る盤です。

▽ソフィー=ミルマン『テイク・ラヴ・イージー』

 いつもはヴォーカルをほとんど聴かない私にとって数少ない例外のヴォーカリストです。ロシア生まれカナダ育ち娘の3rdアルバム。私は2ndアルバムしか持っていなかったのですが、それと比べると声に厚みが加わったように感じます。
 1曲目の"Beautiful Love"はジャズ・ヴォーカルの教科書のような歌唱です。ジャズに興味があるけどよく分かんないという方は、是非これを聴いてください。原曲どおりに一通り歌った後で、フェイクする(原曲のメロディを崩す)/インプロヴァイズする(即興メロディを連ねる)パートでのドライヴ感は、彼女も尊敬しているであろう「女性ヴォーカリスト御三家」筆頭エラ=フィッツジェラルドをちょびっと思い起こさせてくれます。
 ポップチューンも積極的に取り上げていて、ジョニ=ミッチェル、ブルース=スプリングスティーン(!)などの曲を歌ってます。ジョニ=ミッチェルは、30年以上も前からジャズっぽいサウンドアプローチをしている人なので、もっと多くのジャズメン/ウィメンに取り上げて欲しいですね。

▽ウォーレン=ウルフ『吼えろ!黒狼』

 今時珍しい、何ともスゴイ邦題ですが、原題も"Black Wolf"です。買うまでは名前も知らなかったヴィブラフォン(ヴァイブ)奏者ですが(何故買ったんだろう?)、聴いてみると「おっ」と思わせてくれました。テンポの速い曲でも何となく余裕のある叩き方で、気持ち良いのです。
 ハービー=ハンコックの「処女航海」"Maiden Voyage"には、ヴァイブの魔術師ボビー=ハッチャーソンの名演があるのですが、この曲に挑戦したり、ヴァイブの大御所ミルト=ジャクソンの超有名曲"Bag's Groove"を演奏したりと、かなりチャレンジングです。自作曲も3曲入ってますが、なかなかの出来です。
 バックも名手マルグリュー=ミラー(pf)を初めとする腕利きを揃えて、レベルの高いパフォーマンスを披露してくれてます。これからの成長を見守っていきたいミュージシャンとして私の脳裏にレジストされました。

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2009年7月26日 (日)

ラヴィ=コルトレーン

未だに婚活から脱却できない私。今日は2ヶ月に1回のカウンセリングの日で、会員になっている婚活業者さんの支社に行ってきました。

で、カウンセラーのSさんから、ちょっと面白い話を聞きました。あのジョン=コルトレーンの息子、ラヴィ=コルトレーンとお知り合いだったというのです。

彼が学生だった頃といいますから、随分前のことですね。駅で迷っている彼に声をかけて助けてあげたのがきっかけで知り合いになったとか。Sさんのお友達も交えて居酒屋で飲み会やったりしたそうです。

彼は「3年後にはプロになって戻ってくる」と言って、カリフォルニアに帰ったそうで、その時に住所も教えてくれたのですが、Sさんが出した手紙は全部、オッカサンのアリスが破り捨てていたそうで(コワイな~)…

んで、数年後、ラヴィはエルヴィン=ジョーンズ・ジャズマシーンの一員として来日し、Sさんも赤坂のブルーノートへ足を運んだとの由。

意外なところで意外な話を聞いたわけですが、ミュージシャンとしてのラヴィについては、ちょっと論評し難いですねえ。ただ、おとっつあんと違って、味のあるフルートを吹いてくれるのはアドヴァンテージ。

後見人のエルヴィンも亡くなった今、彼は何をしているのでしょうか…

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2009年7月21日 (火)

海を感じるピアノ

今日、いやもう昨日ですか、「海の日」だったんですね。海とピアノというと、クラシックファンの方はドビュッシーを想起されるでしょうか。

ジャズの世界で「海」と云えば、やっぱりこれハービー=ハンコックの『処女航海』'Maiden Voyage'ですね。個々の曲の出来が素晴らしいので、あまり語られないように思いますが、トータルコンセプチュアルアルバムとしても素晴らしいものがあります。高度な技が駆使されているにもかかわらず、とても聴き易いので、ジャズを初めて聴く方にもオススメです。

ただ、ピアノ単体で海を感じさせるかというと、ちょい疑問ですね。そこは、ピアニストというよりトータルサウンドクリエイターとしてのハービー=ハンコックの資質なのでしょう。

いつだったか、行き着けの店へ入ったら、すごーくスローテンポの"Summertime"がソロピアノで流れていました。どちらかというと、暗い海を連想させる、日本海の荒波のような弾き方で、とても前衛的に聴こえたものですから、「これ、セシル=テイラー?」と訊いたら、「ばかいえ。エリントンだ」と"親父さん"に叱られてしまいました。もう一度聴きたいのですが、エリントンのどのアルバムに収録されているかを確認しなかったのは失敗でした。

"Summertime"は数多のジャズメンが演奏しているので、これがベストプレイ!と特定するのはなかなか難しいのですが、同じく「海」を感じさせるというところで、ジョン=コルトレーンの『マイ・フェイバリット・シングス』'My Favorite Things'の3トラック目の"Summertime"におけるマッコイ=タイナーのピアノが好きです。彼の強力な左手はまるで、岩場に砕け散る波のようで、繊細な右手は水平線の向こうまで連れて行ってくれそうです。

エリントンのピアノが前衛的に聴こえたと書きましたが、私の知るジャズピアニストの中で最も海のイメージに近いのは、前衛ピアノの巨匠である(山下洋輔の師匠みたいな存在である)セシル=テイラーです。比較的初期の『ザ ワールド オブ セシル・テイラー』'The World of Cecil Taylor'なら多少抵抗は少ないでしょうか。

エリントン以下3名のピアノに共通しているのは、弾き方がパーカッシヴ打楽器的という点ですね。偶然ではないと思います。ピアノを前にしたアフロ=アメリカンが、その原点に回帰すべく、敢えて打楽器的な奏法を前面に出した…その結果が、海を感じるピアノなのだと思います。

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2009年2月24日 (火)

最後のトランペットヒーロー

既に「ジャズ千夜一夜」にネタを出しましたが、フレディ=ハバードが年末に亡くなったと『スイングジャーナル』に記事が掲載されました。

彼は私にとって、勝手に名付けた「サンパチトリオ」(リー=モーガン・ブッカー=リトルを加える、3人とも1938年生)最後の生き残り、トランペット一本で戦えるトランペットヒーローです。

ウディ=ショウもそうでしたが、フレディも不遇な晩年になってしまいました。大事な商売道具である唇を傷めていたようで、ここ10何年はレコーディングも少なくて淋しかったです。

ブルーノートに残されたメインストリームの数多の名演もいいし、"Red Clay"も最高に格好よかった。V.S.O.P.クインテットをリアルタイムで体験できなくて、私は生まれてくるのが20年遅かった。

心から御冥福をお祈りします。

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2009年2月19日 (木)

天地真理、ビートルズ、エリック=ドルフィー

コネタマ参加中: 初めて自分で買ったCD(レコード)を教えて!

まず、初めて自分でチョイスした(親にねだった)という意味では多分、天地真理のEP盤だと思う。どの曲かは既に記憶から消えてますけど。何故、あんなに天地真理が好きだったのか、自分でもよく覚えていない。

自分の小遣いを使って自分でチョイスしたのは、中学生の頃、ビートルズかな。『リボルバー』か『ヘルプ!』だった。この年代によくある、友人の影響というヤツだ。

この後、いわゆるプログレ(死語)に走るのだが、高校2年生のときだったか、土曜日の夜、FMラジオでジャズの名盤名曲を紹介する1時間番組があって、その日はエリック=ドルフィーの特集だった。

ジャズがお好きな方は御存知かと思うが、ドルフィーの紡ぎ出す音は本当に異様というか異形で、プログレロックなど到底かなわない「前衛」に感じられた。

翌日、部活の帰りにレコード屋に寄って、『アウト トゥ ランチ!』を買った。今思えば、ドルフィーの経歴においては、ブルーノートの若手に担ぎ出されて、最も左傾化した盤という位置付けになるけど、世界(4次元時空連続体)は広いなあ、と身に染みて感じた。

この一枚から始まって、今は、この左下のマイリストのような状況です。はい。

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